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刑事コロンボ
完全版
COMPLETE DVD-BOX
幼少時代、父と一緒に観てドキドキしていたことを思い出す。
スーパーマン、スターウォーズ、ブルース・リーに心奪われてた中、『刑事コロンボ』演じるピーター・フォークは、僕にとってカッコイイ大人の代表だった。
『うちのカミさんがね~』
身なりは野暮ったく髪はボサボサ、いつも葉巻を吸っていて、空気の読めないすっとぼけた刑事。
そのくせ殺人現場にふらっと現れては、犯人の懐に入り込み、ねちっこい会話と優れた洞察力で計画犯罪を暴いていく。
コロンボが必ず口にする『うちのカミさんがね~』というセリフは、本ドラマに欠かせないものであり、象徴とも言えるだろう。
また不思議なことに、どうしても刑事側でなく、犯人側の気持ちになって観てしまう。
こんなに無神経にしつこくされたら、ボロを出してしまうのではないかと、ハラハラしたのは僕だけではないはず。
『憧れの理由とは』
無敵のヒーローでもなく、わかりやすい正義の味方でもない。
射撃が苦手で拳銃すら持たないこの刑事の、どこに憧れの要素があったのだろうか。
考えられるとすれば、コロンボが持つ” ギャップの魅力 ”が、子ども心に刺さっていたのではないかと思われる。
冴えない風貌でどうみてもダメダメおやじなのに、とても細やかで頭の回転がものすごく早い。
誰に何を言われても意に介さず、本質を見抜くことに長けている。
見た目と中身のギャップがある人に魅力を感じ、知らぬ間に自分もそうでありたいと今なお思う。
幼少期の記憶は、自己形成する上でとても影響しているようで、
大人になった自分は、人から『あまのじゃくだねー』と言われるようになった。
ありがとうコロンボ。
騙されたと思って見直してみて!こんな時代なのに、とっておきたくなるDVD BOX。